かがみの孤城(ネタバレあるよ)

大丈夫、大人になって。という言葉がしみる。優しさがあふれる映画だった。
こころのいじめの告白を受け入れたアキとフウカ、学校でうまくやれなかったウレシノを受け入れたみんな、傷ついたアキを助けたオオカミさま、そしてみんな、こころと共に戦うことに決めたお母さん、そして皆を受け入れてくれた喜多嶋先生。
優しさにあふれた物語だった。
それぞれが苦しんで、もがいて、それを否定しない優しい空気に包まれていた。
何よりあの優しい世界を作ってくれたリオンのお姉さんが一番大きな優しさを持っていたのかもしれない。
みんなの優しさに共感した。
等身大の、もしくはそれ以上の苦しみを抱えた7人は、あの場所で共に過ごすことで、少しずつ癒やされていたのだと思う。アキだけは重すぎる苦しみに引き裂かれそうだったが、最後にこころの、みんなの願いの力で救い出すことができた。本当に良かった。感情移入した。
それぞれが立ち上がることができた。それが嬉しい。
こころを中心に始まる物語だが、誰が主人公というのもなく、最後には群像劇だと思った。
今苦しんでいる人の背中を優しく押してくれる映画だと思った。みんな本当に優しいよ。
2時間の経過を感じさせない濃密な物語に、2度目も感動させられた。
トロイメライの使い方がうまい。懐かしさと柔らかさを持った、そして少し寂しいメロディーが心に突き刺さる。
そう、ありのままを肯定してくれる優しさがこの映画、小説の根底にあると感じた。辻村深月先生、優しい…。
絵がものすごく可愛い。くせのない絵柄のなかで、それぞれ特徴を持たせた絵柄が良い。みんな、鏡に入るたび服が替わるのも良い。やっぱりこころちゃんが可愛い。あとアキちゃん。

2回目の映画鑑賞だった。1回目映画を見て、これはすごい、と小説版も読み通して、そしてからの鑑賞だった。もう喜多嶋先生が出た瞬間泣いちゃったよね。