デパプリ11

デリシャスパーティ♡プリキュア11

ジェントルーの操り糸がどんどんほどけていく。
今回はなんと正体がばれてしまうまでに至った。
ジェントルーは戦いで優しさを見せていた。
怪物を召喚しても一般市民には危害を加えない、レシピッピは傷つけない、など…。
人間としての心に残った優しさが、そうさせていたのだ。
これは自分はメタな理由で、戦いに一般市民を巻き込まないという番組の方針だと思っていたのだが、そうではなかった。もちろんそれもあるのだろうけど…。
ある意味シリーズを知っているからこそ目立った違いであり、初めての視聴者だったらちゃんと疑問に思ったかもしれない。
毎年シリーズが変わっても、変わらないものがある。
自分たちオタクは変わらないものに安心感を抱き、変わったところを楽しむ。
良いとか楽しいとか、変とかわからないとかって、そのどちらかに感じる違いなのかもしれない。
初めて見る番組は、その番組の雰囲気を感じるまでに情報を集めないといけないから、見るのにエネルギーがいるのかもしれない。
自分はそこら辺、どっぷり受け入れちゃったりするけどね。設定がどうとか、矛盾があるとか、疑問に感じない。
もう少し普段の生活でも疑問を持った方がいいのかもしれないのかもね…
生きづらさを感じつつも、生きやすい方向に変えられないのは、そういう感度の少なさなのかもしれない。

さて、限界を迎えつつあるジェントルーは、元の姿である生徒会長としても、奸計を巡らす。
これは現実世界に置き換えると、残業行為にあたる。
もう目的を果たすためには手段を選んでいられないということか。
かわいそう。彼女の真の姿は善であると信じたい。
なぜ彼女が選ばれてしまったのか、彼女じゃなきゃだめだったのか。
いや、悪役になるべき人間なんていないと思うけどな。でもつらそうなジェントルーを見ていると、どうして彼女がと思ってしまう。
現実でもそう。ブラック企業に就職してしまうといった理由で苦しい仕事をしている人がいる。
なぜこの人がという答えはない。
悪い意味で、平等でない。
誰だって転落する可能性がある。逆に、運良く富豪になれたりする可能性はほとんどないように思える。
そうなると、誰でも、リターンを増やすより、リスクを減らすように動くことになるだろう。それは自分もそう。
表に立ってリスクを背負うより、ひっそりと過ごしていくほうが楽だ。
仕事はやる気がある人、野望がある人、お金が欲しい人に任せて、自分は仕事以外のことに楽しみ、生きがいを見いだしていきたいよ。

さて…今回は本当に本題に入れない。
生徒会長は学校で抜き打ちテストを行う。そしてプリキュアの3人にはほかの生徒と違う、特別に難しいテストをやらせ、補習を受けさせようとする。
そんなテストでも平然と90点を取ってしまうここねちゃんはほんとサラッと優秀すぎる。
全員を補習に追いやれなかったのは誤算だったかもしれないが、2人無効化できたことはよかっただろう。
そしてジェントルーの姿でレストランに入り、レシピッピを見つけ出す。
もう、どちらの姿でも記憶は共有できていることが見てわかる。

スパイシーは戦闘態勢に入るものの、一人ではどうしても苦戦してしまう。
そこで二人が合流。スパイシーがハートジューシーミキサーでウバウゾーを倒した。
直接攻撃を仕掛けてきたジェントルーに対し、ヤムヤムもハートジューシーミキサーで撃退する(ビーム干渉!)。
ジェントルーは変身が解け、みんなに姿を見せてしまう…。
言葉を交わす暇もなく、敵に連れ去られてしまった。

今週刺さったシーンは2つ。
ひとつは、ジェントルーが彼女の仕事についてたしなめられるところ。
彼女なりの美学があっても、成果を出せなければ評価されない。苦しいことだ。
彼女の仕事は悪だ。どんな方法でも許されることではない。
それでも、彼女なりには一番罪のない方法を模索していた。
だが、どんな努力も、成果の一言で意味を失ってしまう。
このシリーズは、敵は負けるために存在する。主人公たちを輝かせるため…。
敵は負けても戦い続けなければいけない。その理由が必要になってくる。
それは去年のトロプリはうまくやっていた。敵自体にやる気がないのだ。だから負けても責任を持たないし、やらされて悪事を働いていた。
もしくは初代のように、強大すぎるボスが恐怖政治を行うか。
そう考えると、今年はスタプリに近いかもしれない。
敵に自我があって、意思を持って悪事を働く。その背景に敵には戦う理由がある。どれも苦しい理由だった。
ジェントルーは操られているものの、仕事には真摯にあたろうとする。
しかし彼女には成功は訪れない。苦しむしかないポジションなのだ。
そんな彼女に成果を突きつける。結局それはとどめだし、最後通牒のようでもあった。
敵としての彼女はもう長くない。だったらどうなる?今後どのようにこの物語に参加する?悪から解放された彼女にも救いがほしい。ついさっき、仮面ライダーアギレラが生まれたように。

さてもう一つは、おばあちゃんの言葉。
勉強は、いろんなことを知って、いろんな想像ができるようになるためのもの。
これは膝を打つ思いだった。
つい最近、第二次世界大戦の空襲の話を見た。
悲惨な状況、写真が痛ましかった。
でも、自分は全然歴史を知らなかった。
この戦争がなぜ起きたのかわからない。だから想像ができない。
なぜこんなことが起きたのか。どうしたら繰り返さないようにできるか。
知れば、戦争に対する考え方が変わると思う。
昔は、歴史なんて調べればいい、知っている必要なんてないと思っていた。
でも、それは違っていたと、今では思う。
知らないと、自分の知っている世界が狭まってしまうんだ。考える材料がなくなってしまうんだ。
考えられないんだ。知らないから、選択肢の一つにも入らない。
残酷に感じた。
自分は日々のニュースにもそれほど関心を持てなかったのだが、その理由も同じくわかった気がした。物事を知らなすぎるんだ。
知ることって大事。いつになっても学び続けなくては。

今週は、絵が可愛い、学ぶことも多い、お話も第1クールが佳境、と見所が多い回だった。
プリキュアたちが、特に変身前、めちゃめちゃ可愛いのにほんと救われる。今後もガンガンかわいさを見せつけてほしい。
そしてジェントルー。救われてほしい…。彼女に居場所を与えてほしい。そして今後もこの話に関わってほしい。
本当にジェントルーに感情移入しちゃう。ずっと切ない回だから、そろそろほっとできるといいなぁなんて。

ではまた来週、楽しみです!