ひろプリ31

ひろがるスカイ!プリキュア31
第31話 新たな脅威!エルちゃんを取り戻せ!

9月が始まり、ニチアサ3作品、見計らったかのような激動の日曜日でした。
プリキュアは新プリキュア、キュアマジェスティの登場。
仮面ライダーは新作品、仮面ライダーガッチャードが開始。
そして、戦隊は第2部の始まり。
夏休みが終わって、ニチアサも新しく話が始まっていくのがすがすがしい。
学校とかが始まっても、ニチアサから離れないでね、という気持ちも感じる。

さて、プリキュアに戻ろう。
序盤での、エルちゃんが強い意志を持つところが印象深い。
自分に賛同しないソラやあげはに対して、キライ、と言ってのける。
ソラちゃんの自我が成長していることを強く感じたシーンだった。
よくよく考えてみると、それ以前にもソラちゃんの自我は徐々に強まってきていた。
靴はこれ、服はこれ、と、自分のこだわりを見せるようになっていた。
これは、ソラちゃんが独立した力を持つことの布石といえるであろう。

最終的には、ヨヨさんの提案で、エルちゃんの写真を撮りにフォトスタジオに行くことになった。
ここはしっかりギャグパートだった。
なんとプリキュアの子供服がレンタルできるようになっていた。
ちまたで話題のプリキュア、ということで、プリキュアの存在を隠さない本作ならではのメタ要素といえるだろう。
エルちゃんはどのプリキュアが好き?という究極の質問に対して、プリキュア全員が息をのむなか、エルちゃんは、みんな好き、と言ってくれた。
はいはい私はプリズムが好き!誰も聞いてないね!

フォトスタジオの帰り、ソラは正直な気持ちを吐露する。
エルちゃんはスカイランドの女王としていつか王族となる身。離ればなれになるのは避けられない。
それても、ソラは彼女の成長を見ていたい、離れたくないと涙を流す。
まごうことなき本音の感情だったろう。
そしてそんなソラと同じ気持ちを、みんなも感じていただろう。みんな、彼女の気持ちに寄り添いながら、離れることがあっても、それは今日じゃない、と勇気づけてくれた。

そこに、強敵が現れる。
初めて見る相手。敵対する存在なのは間違いない。そして…その強さが尋常なものではないことも、その感情のこもっていない瞳から感じ取った。
その名はスキアヘッド。
スキアヘッドの登場と共に、敵のボスの名前が明らかになる。カイゼリン・アンダーグ。
敵帝国の全貌が少しずつ明らかになっていく。
スキアヘッドは、エルちゃんをアンダーグ帝国にさらったことを明らかにする。
スキアヘッドの強さは尋常でない。そして作画が動く動く。
プリキュアの4人はやられてしまう。
だが、そこで、…OPの…うう泣けてくる。スカイとプリズム、ウィングとバタフライが手を取り立ち上がるシーンがここで再現されるのだった。

そこに、エルちゃんの涙が、力を生み出す。
空から現れる謎の少女。紫の髪を持った、ツインテールの女の子。その瞳は静かながら、強い力を感じる。
来たか、というスキアヘッドの言葉。何か知っていたのか?予測していたのか?
そして、名を名乗る。キュアマジェスティ。
キュアマジェスティはその力で、スキアヘッドのシールドを打ち砕く。壊す、と言うより、光の力で浄化した、ように思える。
その場から離脱するスキアヘッド。そして、世界も元に戻る。木陰から現れるエルちゃん。
安心する4人。もっと強くならなくては、と決心するソラ。

バッタモンダーがやられてから、日常回が多かったひろプリ。7回くらい、そういった回が続いただろうか。
マジェスティ登場までの、商業的な都合もあっただろう。
それでも、序盤の、毎話に勢いと発見があった流れからすると、少々退屈に映ったのは事実だ。
自分は以前から、もっと日常回が見たい、メンバーの内面的な成長を見せてくれるお話がほしい、と思っていた。
でも実際に与えられると、それだけばかり与えられると、退屈に感じてしまうのだった。
各人の成長や、関係性を描くのは横糸であって、何のために戦うのか、悪を倒すという最終目的にたどり着けるのか、それも縦糸として、両方が大事なものだと知ったのだった。
結局のところは商業的なもの、グッズ販売を要因として各回の話が組み立てられることが多いのだとわかる。
2,3ヶ月に一回、燃料を投下する必要があるのだ。
では、その間の話はどうなるのか?戦闘一辺倒ではない、日常一辺倒ではない、良いバランスを取っていただきたいなと感じるのだった。

来週は、キュアマジェスティが真に変身する回。
見せてほしい、ここから20話弱の勢いを。
この遅い時期の追加戦士が作り出す、物語の深みを。
一瞬だけ見えた、ミノトンの意志を…。

おっと最後に他のニチアサについても思いを書いておこう。
ライダーも戦隊も正直まともには見ていないのだが…。
仮面ライダーギーツは予想できる結末だった。創世の神になっても、母が帰ってこないなら、自分がその神になることを受け入れるだろうと思った。
結局のところ、強く執着していた母を失ったことで、英寿自体の変化を促したのかもしれないと思った。
何千年も生き続け、母にこだわり続けて、それを失った時、彼が過ごした歴史を顧みると、自分はどうあるべきか、善とは何かが、浮き彫りになったのだなと思った。
彼は我々より長い長い時間を生きている。彼が飄々としているのは、その経験に裏付けられているものであり、目先の善悪も、亡くなったり時代が変われば何の意味もなくしてしまうことを知っていた、それゆえの、あきらめの感情を反映していると思った。
歴史は繰り返すし、人は何度も同じ失敗を繰り返す、それを見守り、時には人類の成長を促すよう介入する役として生きていくのだろうと思った。
母の時代が紀元前、英寿の時代が紀元後のような、神性を感じるような話に感じた。
最終回も、英寿がいないながら、さみしさや悲しさは不思議と感じず、この世界なら大丈夫という安心感が感じられた。
全体的に、序盤から半年くらいはくすぶっていたが、後半から物語の深みが増し、最終的には神性を感じる広がりを感じる話だったと思う。
アギトのような敏樹シナリオに通ずる、なんというか、神だから仕方ないみたいなポジティブな諦めを感じる話に思えた。
序盤どうなるかと思ったけど、興味深い着地点で、最終的には楽しめたと感じた。
ライダーデザインはゾンビのやつがかっこよかったな。

キングオージャー。2部構成だった。そして第2部の幕が開けた。
これは正解だと思う。
なんというか、どんな話をしていても飽きるという危険を感じる状況だった。
背景がCGで描かれ、目新しさと表現力を手にしたのだが、結局それに慣れてしまうと、どんな風景でも既視感があってやばかった。5つも世界があるのに結局飽きてしまう。なんなら日常の風景とかSSAのほうが全然飽きないのが不思議だった。これも一種の不気味の谷だと思った。
これまでの敵とは和解し、今後は宇宙からの襲来者?が敵になるという。心機一転してがんばってもらいたい。6人のキャストはとても魅力的だから、そこは自信をもっていいはずだから。

というわけで、また来週!